ドキドキ!? 夏祭りコーデ

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ドキドキ!? 夏祭りコーデ

 ふぅ、とりあえず結との夏祭りの約束はできた。  結と集合して、屋台を回る。  そして、花火が終わったら帰るっていう感じか。  まぁ、もう少し長く痛かったけど屋台が始まる時間と終わる時間に合わせるのがいいっていうことに落ち着いたんだよね。  家に帰ってきて、真っ先に自分の部屋のベットにカバンを置く。  あたりを見回してから一息つく。  そして、クローゼットが目に留まった。  夏祭り、何を着ていこうかな?  浴衣、あったかな?  もし、あったとしても丈が合わなかったり……。  ……十分に有り得る。  そうならないように今のうちから用意しておこう。  私はクローゼットを開けた。  中には今は着ていない学校の冬服やコート、私服のダウンコートやお出かけ用の服まで詰め込まれている。  浴衣は多分、下の方に……。  あっ、あった。  すぐに見つかってよかった。  浴衣を取り出して、とりあえず体に浴衣を合わせてみる。  着なくてもすぐにわかった。  これ、丈が短いな……。  そういえば、去年は着付けに手間取って、着なかったんだっけ。  そりゃあ、丈も短くなるよね。  仕方ない、浴衣は諦めよう。  何かワンピースでも――。  プルルル……、プルルル……  電話がかかってきたのか、スマホが振動している。  ……結からだ、どうかしたのかな?  そう思い、私はスマホをタップした。 「もしもし、どうしたの?」 『もしもし……! 良かった、繋がって。いや、夏祭りの服装のことについて話してなかったなって』  好都合だ、私もちょうど悩んでいたところだし。 「結はどうするの? 私は浴衣の丈が合わなくてワンピースとかで行くつもり」 『そっかぁ、私もそうしようかなって。浴衣はあるにはあるんだけど、姉さんのものを借りることになっちゃうからさ。ちょっと、好みの柄じゃなくてさ』  結にはお姉さんがいるもんね。  なんか、よくファッションのことについて意見が合わなくて喧嘩してるって言ってたな。 「うーん、でもどれが良いかよくわからないんだよね。せっかくだから良さそうなのを選びたいんだけど……」 『それだったらさ、夏祭りに着ていけそうなアイテムをいくつかメッセージに送ってよ。その中からあたしが選んであげるからさ!』  そうスマホから元気な結の声が聞こえる。  絶対、今の結の目、キラキラしてるな……。  でも、私が選ぶと変な感じになっちゃうと思うから結に選んでもらうのは正解なのかもしれない。 「それじゃあ、お願いしてもいいかな?」  『うん、まっかせて! もしかしたら、颯太にも見てもらえるかもしれないし、あたしの全力フルコーデを見せてあげるんだから!』 「わかった、じゃあいくつか写真を送っておくね。あっ、そうだ。靴はね履きたいものがあるんだ」 『履きたいもの?』 「うん、お気に入りのやつ」  私のお気に入りの靴。  それは夏にピッタリな水色と白のヒールのあるサンダル。  水色と白のリボンがクロスしているだけのシンプルなデザイン。  でも、靴ずれや歩きにくさを心配されて、ヒールのある靴をあまり買ってもらえない私にとってはすごく大事な一足だ。 『うん、わかった。その靴を中心にコーデを考えておくね。その靴も後で写真をもらっても良い?』 「……っ! わかった……! 楽しみにしてるね」 『うん、それじゃあ。また明日』  その結の言葉を最後に電話は途切れた。  コーデ、任せてもらっちゃったな。  どんなコーデになるのかな?  楽しみにしておこう……。  そう思って、楽しみな気持ちをそっと閉じ込めるようにクローゼットを閉めた。
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