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ああ、ついにこの時が来てしまった。
彼のスラリとした指が私のブラウスに触れ、上から一つずつ、ボタンをはずしていく。
いつだって、この瞬間が一番怖い。
「……ま、待って」
覚悟していても、やっぱり引き返したくなる。
今まで、お付き合いをした相手が五人いた。でも、一線を越えた相手は誰一人としていない。
なぜなら……。
「ん……?」
「やっぱり待って……。私……」
「大丈夫、優しくするから」
「や、そうじゃなくて……」
なぜなら、今までの彼氏は全員、服を脱がす途中で中断してしまっているから。
「あっ……!」
彼はボタンを全てはずし終えて、キャミソールをめくり上げる。
そして予想通り、私の体を見て固まってしまった。
「あら、やっと会えたわね」
ああ……。見られてしまった。
私はベッドに仰向けになったまま、思わず顔を覆う。
服を脱がして私の体を見た男性が固まるのは、毎度のこと。当然の反応なのだ。
だって、私のお腹には…………。
「ずっと会いたかったの。こんばんは、リオくん」
私のお腹には…………妹がいるから。
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