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「お姉ちゃん聞いて! 私、彼氏が出来たんだっ!」
「なんですってッッッ!!!?」
パリィン! と、コップが砕け散る音が室内を鳴らす。
妹の唐突な告白に驚愕した姉が、持っていたコップを握り締め、破壊した音だった。
手先からはガラス片が突き刺さり、ポタポタと血が滴り落ちるが、彼女はそれを一切気にせず妹の方へと詰め寄り、彼女の肩を力強く掴んだ。
「私というものがありながら彼氏を作るだなんてッ……! もとみ! アンタ正気ッ!?」
「正気を疑われるような事はしてないと思うけど……」
激昂する姉に対し、妹は「むしろお前が正気か?」と言った眼差しを向けため息を吐く。
彼女──終井寧々は、妹のもとみに並々ならぬ愛情(+劣情)を抱いていた。
妹と付き合うのは姉の役目、妹と結婚するのは姉の役目、
妹と[ピー]して[放送禁止用語]して[禁則事項]するのも姉の役目──だと、何の疑いも無く本気で信じてる、ヤバい類の姉である。
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