時代を超えた鮮血

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「一緒に遊ぼう」 「うん、いいよ」 こんな日常がずっと続けばよかったのに 「やめろ!やめてくれ」 パチパチッ 「なんでこんな事するの?」 叫び、逃げ惑う人々 涙を流しながら人を傷つける魔王 ハッ 「寝てた。明日出発なのに、よりによってこんな夢を見るなんて」 私や、他の村を潰した憎き魔王 今日、そいつを倒す。 そのためにここまで鍛錬してきたんだ。 魔王城へ行くと不気味なほど静まり返っていた。 「あっけなくついてしまった。罠...なのか?」 ギーッ 扉を開けると 「ようやく来たか、勇者よ。我を倒してみせよ」 ドッ 「何、これ。この記憶は?釉、ちゃん?」 「やっと記憶を思い出したのか。氷菜」 えっ、倒さなきゃいけないのに?なんで今? 「もしかして、また、釉ちゃんを殺さないといけないの?」 「そうみたいだな」 釉ちゃんは笑いながら言った なんで、なんで笑っていられるの?本当に殺さないといけないの? 「本当に、殺さなきゃいけないの?」 「あぁ」 「殺さないで逃がすんじゃダメなの?」 「ダメだ。私がいる限り魔物、魔族は生まれ続ける」 「やだ、殺したくない」 「そう言うと思ってさ、従属の呪文かけといたから。だからさ」 「やだ、また、また殺さなきゃいけないの?やだ、やだ、殺したくないよ」 でも、気持ちに反して体が動く。 シュッ、ズバッ 「あ、あぁ。また、また()っちゃった」 もう殺したくなかったのに。 そして、いつもと同じように シュッ 薄れゆく意識の中考える いつまで続くのだろう 次は何になるのだろう いつまでめぐり続けるのだろう いつ終わるのだろう そんな事を考えながら私達はめぐり続ける
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