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姉に誰か頼れる人がいれば、例えば私が一緒にいれば、助けを呼びに行けたかもしれないのに。
「やり直したいですか?」
「えっ?」
「もしその日に戻れるなら、あなたはやり直したいですか?」
「……できるんですか?」
「時の流れに介入することは正直にいえば好ましいことではありません。今のあなたの在り方を変えたり、どこかでねじれが生じ、あなた自信が死ぬ可能性もあります」
「!」
「それでもやり直したいというなら力を貸しましょう。ただし1回だけ。当然この時間には戻れなくなります」
神様の目をみれば真実を告げていることは容易にわかった。時間を戻し、姉と潔が死ななかった代償は私に降ってくるかもしれない。
今の状態の私なら構わない。幸い恋人もいなければ仕事も夢を叶えてついた職ではない。
だけど変わった未来がいまよりもっと悪いものだとしたら……。姉を生き返らせたこと自体、悔やむ可能性だってある。
それでも、私は
「お願いします」
「よいのですか?」
「はい。だって、いつ死ぬかわからないのは今も同じですし……もしここで断ったら、今度はそのことを後悔しそうなので」
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