花筏

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「あのさ…」 姉の呼び掛けに、僕は「あぁ、うん?」と生返事を返す。 そんな僕に対し、彼女は囁くようにして、こう語り掛けてきた。 「さっきの話なんだだけどさ」と。 「さっきの話って、何? 『彼氏さん』の話?」と、僕は(いぶか)しげな口調にて問い返す。 その首を左右に振った姉は、こう答えを返す。 「違う、君と私との話だって。 心中の話だよ」と。 思わず言葉を失った僕に対し、彼女はこう囁きかけてきた。 「私、君と一緒に心中しちゃっていいんだよ? もう、この夜にでもさ」と。
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