聖なる器と呼ばれる理由

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しばらくして更にポテトの盛り合わせとレモンの輪切りが運ばれてきて、ガレウスは卓上に置かれたポテトとレモンの輪切りを両方共毒味をしてくれた。 俺は少しずつポテトを食べてゆき、メイドが一礼して部屋を出てゆけばガレウスはベッドに座りながら俺を見ている。 匂いで気分悪くなった事なんて無いのになんで… 食べ終わればガレウスが食器を廊下へ出して扉を閉めて、俺を抱き上げてベッドに座らせて隣に座ってくる。そっと寄り添えば肩を抱かれ、俺は心地良さに目を閉じる。 日に日に俺の腹は大きくなってゆき、胎動を感じるようになってきた。その頃には王様が部屋に来るようになった。 愛おしそうに腹を撫でる手は優しく、愛おしそうに撫でてくる。だが俺との子供と言うより自分の跡継ぎが産まれてくるのが楽しみで仕方ないだけのように見える。まぁ事実そうなのだろうな… 「お、王様…この子が産まれたら俺は…どうなるんですか?」 「うん?たくさん可愛がってやるぞ」 顎を掴まれ唇が重ねられる。ねっとりと舌を絡められ、俺は大人しく口付けを受け入れた。 しばらくキスを堪能した王様は部屋の外に連れて来ていた騎士達と歩いて行くのを見送った。腹に触れれば動いているのがわかり、ベッドに戻り腰を下ろせばガレウスが入ってきた。
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