聖なる器と呼ばれる理由

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「ガレウス…俺を連れ出して…」 「危険な目にあうかもしれないんだぞ」 「そう…だよな…ごめん忘れてくれ」 袖を掴めば真っ直ぐ見つめられ、俺のわがままで執事のガレウスを危険な目に合わせるのは嫌だと思い笑顔を浮かべた。 シーツも取り替え終われば、俺は横になりガレウスに背を向けて眠りにつく。初めての出産をした日だからかなかなか眠れなくて、布団に潜った。 いつの間にか眠っていたのか、心地よい揺れと小鳥のさえずりで目を覚ます。見回せば森の中で、ガレウスが俺を抱き寄せながら馬を歩かせている。 長い黒髪は短く着られていて、黒衣に身を包み背には大剣を背負っている。困惑していれば俺の服も着替えさせられていて露出が減っていて、ファンタジー要素の多めな和服と言った感じの着物系の服装だ。 「が…ガレウス…?」 「捕まったら俺は聖なる器を連れ出した大罪人として処刑されるだろうな」 「な、何でこんなこと…!!」 「連れ出せって言ったり連れ出したら怒ったり情緒どうなってんだよ」 「だって…ガレウスが殺されるなんて嫌だ…」 俺はガレウスの胸に擦り寄る。確かに一回連れ出してとは言ったけど忘れてくれとちゃんと言ったぞ?それに長かった髪も短くなってるし…いや似合っててカッコイイけど…
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