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目を覚ませば天蓋付きのベッドの上で、俺はゆっくり起き上がる。喪失感にボーッとしていればメイドが来て食事を運んでくる。
だが食べる気になれなくてボーッとしてしまう。眠って起きたらガレウスがいてくれるのではないかと思い眠っている時間が増えていった。
「ガレウスの事は申し訳なかった…だが何か食べてくれないか?餓死されては困るんです…」
金髪の青年は全く水も飲まなくなって起き上がる力も無くなった俺の元へと来た。流れる涙も無く俺はボーッと天井を見つめている。
「ガレウスと身体は交わらなかったのか」
「え…?」
意外な言葉に青年を見つめる。片手で顔を覆いながら腰に手を当てて何かを悩んでいるようにも見える。
「貴方は聖なる器でガレウスと交わったのでしょう?そのまま衰弱死する気ですか」
「…嫌だ…嫌だまだ死ねない…」
お腹に触れながら涙を流す。あぁそうだ…俺のお腹にはガレウスとの赤ちゃんが居るんだ…俺と…ガレウスの。
ゆっくり起き上がろうとすれば支えて起こしてくれて、金髪の青年は料理を運んでくるようにメイドに頼んでいた。
「会いたいよぉ…ガレウス…」
俺が膝を抱えて泣いていれば青年のベッドに座り、俺の肩を抱き寄せて護るように抱きしめてきた。青年にしがみついてずっと泣き続けてしまった。
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