聖なる器と呼ばれる理由

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ベッドの傍には白のヒールの高めのブーツがあったので履いてから部屋を出れば豪華な内装の廊下が続いていた。 壁掛けの蝋燭やシャンデリアが煌々と廊下を照らし、赤い絨毯が高そうな雰囲気をだしている。廊下を歩いていればメイド達は頭を下げてきて、鎧を着た騎士達は敬礼のようなものをしてくる。 スースーして変な感じするし、パンツくらいくれないかな…暫く歩いていれば走ってくる足音がして振り向けば金髪に金色の瞳のまるで物語に出てくる騎士のような青年で、俺の背後で止まって呼吸を整えているので俺は振り向いて立ち止まる。 「護衛も付けないでどちらへ向かうつもりですか…」 「護衛って、大袈裟な…」 「貴方は自分の価値が分かっていない…貴方は聖なる器なのですから自覚を持って頂かないと…」 青年はゆっくり息を吸って吐いてゆく。白を基調とした軍服のようなものを着ていて白のマントも纏っていて腰には剣もさしている。 「自覚も何も…その聖なる器ってなんだよ…」 「万物の器に」 「子供でも分かるように言わないと舌を噛み切るぞ?」 「…ここではなんですのでこちらへ」 青年が歩き出すので俺は後ろを着いて歩く。あわよくば下着もくれないかな…なんて思っていれば部屋の中へ案内された。 そこは本棚などもあり生活感があり、青年がベッドに腰を下ろしたので俺はその隣に腰を下ろして青年を見つめた。
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