聖なる器と呼ばれる理由

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この世界は俺の世界とは違うようで、どうやら召喚されたと言うことらしい。それもどうやら俺には普通の男とは違うらしい… 俺の腹の中には子宮があり子種を注がれれば確実に妊娠し、人間ではない物の子種を注がれても妊娠する体らしい。だからこそ万物の器…聖なる器らしい。 それにこの国意外にも国は沢山あって聖なる器を求めて戦争が起きた事もあると聞いた。なんで俺がそんなものになってるのか分からなくてため息が出た。そもそも実感が全くない。 「なぁ…それって精子さえ残っていれば昔の生物も産めるって事なのか?」 「そういう事です。それに貴方は孕まされるのが目的の身体なので、種付けをされると脳が認識さえすれば貴方は男…雄を求めてしまいますよ?試します…?」 顎に手をかけられて顔が近付けられ、腹の奥がキュッとしてしまう。感じた事のない感覚に腹を触れば目を細めて笑みを浮かべて離れられる。 「だからこそ貴方は護衛無しでは外に出てはいけませんよ?この城の者が貴方に手出ししない保証もありませんので」 「帰りたい…元の世界に…」 「文献では元の世界に帰れた聖なる器は記述がないですよ」 「嘘だろ…嘘だぁ…」 俺は頭を抱えながら色々考えてしまう。冷蔵庫の中のものが腐るとか電気代払えないとか色々考えてしまうが、何より俺一人の為に戦争とか…嘘だろ…?
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