聖なる器と呼ばれる理由

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「ガレウス…貴様聖なる器に手出ししてはいないだろうな」 「見たらわかるだろう?」 「手を出した、と、認識しても?」 騎士の青年が剣に手をかけたので俺は首を振る。そんな俺を見て剣から手を離し、俺に手を差し出すので俺はチラとガレウスを見たが俺には目もくれない。 手を取ればエスコートするように歩き出され、俺は部屋から出てある場所へと連れてゆかれるのだった。 そこは大きな扉の前で、開けてゆけば広い部屋で奥には騎士に守られた玉座がありそこには一人の年老いた男性が居た。白髪混じりの髪に黒い瞳で顎髭も生やしている豪華な服装をしていて、王冠を被っていてこの人が国王なのだと一目見てわかる。 「国王様聖なる器を連れてまいりました」 「おぉおぉその者が聖なる器であるノアなのか。奥の部屋へ連れてこい」 「はっ。かしこまりました」 興奮したように王が玉座から立ち上がり奥の部屋へと入ってゆくので、青年に奥へ行くよう促される。青年の袖を握って首を振ったが、腕を掴まれ無理矢理引っ張っていかれる。 「嫌だ!嫌だお願い助けて!」 「聖なる器に感情は不要ですよ」 部屋に押し込まれて扉を閉められてしまう。中には豪華な寝室があり、王は俺の腕を掴んでベッドに押し倒して無理矢理唇を重ねてきた。
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