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その日から部屋から出る事は禁止され、部屋の外は騎士が二人守るように立っていて部屋の中にはガレウスと呼ばれた執事が壁に背を向けて立っている。
食事はメイドが運んできたものをガレウスが毒味をしてから俺が食べていて、風呂もガレウスが手で優しく洗ってくれて眠る時もそばに居てくれる。
咳き込んで苦しい時は何も言わずにキスをしてきて驚いたが、呼吸が楽になってゆくのを感じた。他の誰とも会話する事も出来なくて、今の俺の世界にはガレウスしか居なかった。
「王様…跡継ぎ居ないのか…?」
「居たけれど亡くなりました」
「なぁ…そんな堅苦しい話し方やめて普通に話してくれないか…?」
「聖なる器のじか…はぁ…そんな顔をするな」
涙目で見つめれば前髪に触れられる。顔を近づけられて唇が重ねられ、俺はネクタイを掴んで舌を出せば舌を絡めてくれる。
いけない事だとお互いがわかっていてもやめる事など出来なくて、ガレウスがする事がない時はキスをして過ごした。
そんなある日メイドが運んできた食事の匂いを嗅いで気分が悪くなってしまう。ステーキが運ばれてきたのだが、俺が口元を抑えながら首を振ればガレウスはメイドに何か言っていてメイドは食事を下げて行った。
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