21人が本棚に入れています
本棚に追加
黙ったままでいると、溜め息が降ってくる。
「どうしてお前は……そんなにもあの人に似てしまったんだ。忌々しい…」
あの人。おばあ様のことを言っているんだ。
皆が言う。僕はおばあ様にそっくりだと。
特にこの瞳の色が。
誰かが言った。まるで夏の海と新緑を見るようだ。と。
どんな宝石にも代えがたい。
この目は僕の誇りだ。
おばあ様に似ていることを、忌々しいの一言で蔑むおじい様が許せなかった。
「僕は何も悪くない!おばあ様に似て悪いところなんて1つもない!」
「のえる!」
いつもは俯いて何も言わない僕が、言い返したことにおじい様は驚いたみたいだった。
「そいつが、僕のペンダントを盗もうとしたんだ。僕は何も悪くない。絶対に謝ったりしないから!」
僕の気持ちを全部無視して、そいつばかり可愛がるおじい様なんか大嫌いだ!
最初のコメントを投稿しよう!