双子の星ユビキタスとインクルーシブ

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 ゲシュタルト号が受け取った緊急信号は、僕らの夢を奪い去った。 「なんだって!? 僕たちバカンスを楽しむんじゃなかったの?」  てっきり隣の小惑星ユビキタスで優雅なひとときを過ごせると思っていた僕は、少し声を荒げたんだ。 「だってもうサマーバケーションってやつだろう? え? 宇宙に季節があるかって? そんなのはさ、自分で季節を感じればいいのさ。夏だって思えばここは常夏。ヘイヨーロコモーション。はあ、なんだみんなノリ悪いな。」  結局僕はユビキタスに行けずに隣の人造星(じんぞうぼし)のインクルーシブに来ているんだけれど。さっさと問題を解決しなくちゃな。この星のブラックボックスを開かなくては。はあ、それにしても蒸し暑いな。常夏は常夏でも、大海原に浮かぶ南国の島じゃなくて、うっそうとしたジャングルの暑さだよ。雨は降ってないけど、いやだからか、空気中に含まれる水分は飽和状態。
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