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それからしばらくして、十和子は、思惑通り社長の息子とゴールインした。
今までしたことのないような贅沢な暮らし。
夫のお金でなんでも買える喜びでもう「勝った!」と思っていた。
姉の早紀子が社宅に住んでちまちま暮らしているのを可哀想だとさえ思っていた。
早紀子は、実のところ、とても幸せで、十和子にそんなふうに見られているなどとは思ってもみなかったのだ。
高層マンションに住み、外車を乗り回す十和子はもう傲慢になっていた。
そして、いつしか早紀子を見下すようになっていった。
早紀子はそんな妹の言動を心配しつつも、自分達は貯蓄もしながら確かな毎日を送っていた。
何より、早紀子は十和子が思うほど貧乏でも何でもなく、夫と子どもたちと健康で幸せだったのである。
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