青褐のカンパネルラ

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 茜は目を開けました。見覚えのある部屋の窓が勿忘草色に色づき、蝉が鳴いていました。ベッド横の置き時計は五時半過ぎを指していました。茜はスマートフォンを開いて、メッセージアプリを起動しました。 『面白い夢を見たよ。お見舞いがてら聞いてほしい。それと、お見舞いの品に睡蓮を買って来て』  メッセージを送り、茜はまたベッドに横になりました。 「結局、本当の幸せってなんだろう」  二度寝しようかと悩んでいると、茜の送ったメッセージに既読印がつきました。
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