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喪心と消沈
「姉ちゃん、弁当ありがと。夜は和風コロッケ頼むよ~いってきます」
「自転車気をつけて。いってらっしゃい」
仕事がなく実家で暇な私は、高校3年生の弟と父のお弁当を含めた食事全般を作ることにした。
「由奈、私のお弁当が増えてもいい?」
「いいよ、お母さん。変わらないもの」
「330円で食べられるからと思っていたけど、ついでに作ってもらえるなら、その方がいいわ」
「私のいる間だけお弁当にすれば?お弁当箱ある?」
母は昼間ファミレスのパートに行っており、1000円以下のメニューが330円で食べられるからお弁当を持って行ってなかったのだが、自分で作らないなら作ってと思うのも当然だろう。
「私、スーパーに行きたいから車を使いたいの。だからお母さん、送って行くよ」
「そしたら迎えもいるよ?」
「うん、行くよ」
「うふっ、送迎付きでパートへご出勤だわ、私」
「小さな軽自動車だけどね。今日はお弁当ないけど、おにぎりだったら持っていけるよ?」
「ありがとう、お願いする」
洗濯物を干しに行った母のため、おにぎりを作る。真郷もこのおにぎり好きなんだよね…ちゃんと食べてるかな…そう思うだけで涙が溢れそうになり慌てて冷蔵庫に頭を入れた。
クリームチーズ入りのプロセスチーズ1個を出して6等分する‘これはクリチ入りが絶対に美味しいよな’お花見をしながら公園で真郷が言ったんだ…また、涙を飲み込み、ラップの上にご飯、かつお節、塩昆布、クリームチーズ3個をのせてラップのまま握り、最後に焼き海苔を巻く。これを2個作り今日は持って行ってもらう。
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