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3月半ば、今日は市街地にある同業者と会ってから車へ戻る途中‘お弁当’の幟がひらひらするのを見つけて弁当を買ってから駐車場に戻る。
そしてそのまま車内で弁当を開け、卵焼きを口にした俺はすぐにそれに蓋をすると車を飛び出した。
さっきの弁当屋に走って戻ると3人の客が次々と弁当を買って行くのを見送り
「すみません。ここに雨宮由奈という女性がいますよね?会いたいのですが」
先ほど会ったばかりの女性店員に言う。
「…あなた、誰?」
中年の店員が目を細めて明らかに不審者を見る目で俺を見る。
「失礼しました。狭間真郷と申します」
俺は自分を落ち着けるようにゆっくりとした動作で名刺を取り出し、彼女に手渡すと運転免許証も彼女に見せる。
「ずっと由奈を探していました。でも今、卵焼きを食べて‘由奈の卵焼きだ’って…そうですよね?ここにいますよね?」
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