再会と躊躇

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すぐに1時間ほど車を走らせてホテルへ戻る。富士山の見えるホテルにいては由奈までが遠い。あと1週間ほど予約は残っていたがチェックアウトして、同じ道を再び走ると西の丘食堂から一番近いビジネスホテルへ飛び込む。 とりあえず、1週間の予約をしたいと言ったところ、ツインとシングルを一晩ずつ変わらないといけないような予約しか出来ないと言われたがかまわない。 ここの方が東京へも近い。17時に食堂へ行ってみることにして、それまでの1時間弱は九州の地主数人にご機嫌伺いの電話を掛けた。 そしてホテルを出る直前には、一応、湯川専務に滞在ホテル変更の報告をメールしておく。 由奈はいるのだろうか?朝から夕方までだけ働いているという可能性もあるな。今夜いなければ明日の昼間に食堂へ行く。それでもいなければ、その足でもう一軒の弁当屋に行けばいい。 食堂へ向かうタクシーの中でいくつかの可能性を考えているうちに、無事西の丘食堂へと到着した。時間は16:55…入っていいだろうか?と思ったとき、ガラガラガラ…軽そうな音で引き戸が開くと同時に、出てきたのれん棒に腹を刺されそうになって大きく1歩下がった。 「あっ、すみません」
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