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「別に隠さなきゃならない事でも無いし、話しても良かったんだけどね。ただ、あの頃はどんどん記憶も取り戻してたし、幼稚園が始まって暫く経った頃には、何も無かったかのようにほぼ元通りになってったし、それからだって今まで何の障害もなくやって来れた。だから、無理に話す必要も無いと思ってね」それを聞いた舞は言った。
「私が現れた為に、おかしな事になってしまったんですね」
「別にそう言う訳では無いのよ。舞ちゃんは何も、責任を感じることは無いわよ」
「でも、私さえ現れなければこんな事には……」
涼は少し大きめな声で言った。
「もういいって!母さんの言ってる事も分かったし、舞は元々知らなかった事だし、誰が悪い訳じゃないよ。そもそもは、俺が足を滑らせて転んだのが悪いんだ」と言いながら笑って見せた。
家を出て舞と駅前のファーストフード店へ行った。
舞は若干元気がなく、少し落ち込んでるようにも見える。
「参ったな本当に。もう幼稚園の頃の舞は知る事が出来ないのかな俺」
「でもさ、それが全てじゃないし」
「でも俺達、なんか約束したんだよな?なんか前にそんなような事言ってたよな?」
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