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最終話
家に入り真っ先に納戸へ向かった。
納戸の中から幼稚園の時に使ってた、通園バッグを取り出し中を開けた。(確かこの中にあった筈)涼が探してたもの、そうそれはキティちゃんのヘアゴム。
涼がヘアゴムを取り出した所へ、母親が声を掛けてきた。
「なんか物音がすると思ったら、涼帰ってきてたの?どうしたの?なんか捜し物?」
「これだよ!」涼は手に持ったヘアゴムを見せた。
「それは…。幼稚園の時に舞ちゃんから……」涼は母親が言い終わる前に言った。
「分かってる!舞が引っ越す前に俺にくれた物だ。そして、もう片方のヘアゴムは舞が持ってるはず」
母親はびっくりした顔で聞いた。
「涼!もしかして…。思い出したの?」涼は舞が落として行った手帳から、写真を出して母親に見せた。母親はそれを見て納得の顔をした。
「確かにこの写真の舞ちゃんは、そのゴムを付けてるね。まさかそのゴムを見て記憶が戻ったの?」
「ああ。でも正確に言うと、そのゴムを付けた幼稚園時代の舞を見てかな!?」
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