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「あっ!それ!」舞は手帳に挟んである写真を取り出して見た。写真の舞はツインテールにし、髪はキティちゃんのヘアゴムで縛っていた。
「それ、持っててくれたんだね」
「正確に言うと、記憶を無くしたあと、母さんがしまっといてくれたんだ」
「そうだったんだ!お母さんに感謝だね!」そう言って舞はカバンから、お守り代わりとして持ち歩いてた、もう片方のヘアゴムを取り出した。
「これでキティちゃんのヘアゴムも一緒になれたね!」
「このゴムが俺達を引き合わせ、繋いでくれたのかもしれないな」そして涼は舞に頼んだ。
「なあ舞!そのゴムを今、付けてみてくれないか?」
「えー!恥ずかしいよ!」と言いながらも舞は髪を二つに結び、ヘアゴムを付けてくれた。
「どぉ?なんだか恥ずかしいな。最近はこんな髪結びした事なかったから」
涼は舞を見つめて言った。
「なんだか懐かしい気持ちで、あの頃に戻ったようだよ」
そして涼はそっと舞を抱き寄せた。それから耳元で囁く様に言った。
「あの日の約束。必ずまもるから!」
舞の目から涙が流れた。そして「うん!」と答えた。
そして時は流れ…………
…………10年後…………
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