プロローグ

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プロローグ

あれは、幼稚園年長の夏休みに入る前日。 「涼くん、舞ね、遠くへ引っ越すんだって。だから今日で、みんなとバイバイなの」 この頃の二人は、お互いに仲がよく、お互いに好き同士だった。それだけに、涼は子供なりにショックを受けていた。 そして、舞はツインテールにしてる、片方のヘアゴムを外し、涼に渡した。それは、キティちゃんのヘアゴムだった。 「これあげる。ずっと大事に持っててね。大人になったら結婚しようね」 「うん。大人になったら、舞ちゃんと結婚する!」 こうして二人は離れ離れになったのだった。 夏休みに涼は家族で、田舎へ遊びに行った。そこは母方の祖父母の家、岩手県だった。近くには母親の妹夫婦も住んでいて、従姉妹もいた。 従姉妹達と浅い所で、川遊びをしていた時、滑って後ろへ後頭部から転んでしまった。その時強く頭を強打し、涼は気を失ってしまった。 救急車で周辺では大きい、市民病院に運ばれた。 検査の結果、脳への異常は見られないし、腕などの傷も軽いかすり傷だと先生は言った。
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