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「毛利くん、僕それまで憧れていた世界で初めて仕事をした日の話。」
「何のお仕事?」
「僕、子供の頃から文房具が好きで、ある日、新しい文房具を作る会議に初めて呼ばれたんだ」
「僕も発言させてもらえて、それがとてつもなく嬉しかった。参加できて」
「よかったね」
「うん。会議が終わってもう夜も22時を過ぎていた。会社を出た時、くももなく星空がきれいだった。そして、月が僕の目に映った」
「その月が今まで見た中で一番きれいに映った。その日の月を未だに覚えている」
「月も君を祝福したのかもね」
「いつか君にも見てほしいな。僕があの日見た月を」
「見れたらいいね」
「うん」
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