運命のチョコレートとの出会い

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運命のチョコレートとの出会い

 私は正直チョコレートが昔は苦手だった。というよりも甘いものが子供のころ苦手だったのだ。高校生くらいから少しずつケーキなども自分で買って食べるようになったのだが、チョコレートだけはなんとなく食べるのを躊躇していた。しかしそんな私はある日運命のチョコレートに出会う。  私には子供のころからの付き合いの友達が何人かいる。いわゆる幼馴染だ。数年前の2月にその幼馴染の1人と一緒に遊ぶ約束をしていた。そして幼馴染の家に行き話をしているとその幼馴染、今後はAと呼ぼう。Aは私にチョコレートを食べないかと言ってきたのだ。 「チョコレート?」  Aのその言葉に私は驚いた。というのももう長い長い付き合いになるAは私の好みを知っている、つまりチョコレートが苦手なことも知っているのだ。しかしそれでも進めてきたことに違和感を覚えた。A曰くこのチョコレートは本当に美味しくてきっと雨も好きだと思うというのだ。  Aはかなりのグルメで美味しいものに敏感だ。そして人の好みまで把握している気配り屋でもある。そんなAがいうのだから、ということでありがたくそのチョコレートをいただくことにした。 「いただきまーす」  パッケージに『デジレー』と書かれたそのトリュフチョコレートを口に運ぶ。すると私はものすごい衝撃を受けた。頭の中にズガンと雷が落ちたのかと思うくらいの衝撃で、それくらい美味しかった。口の中でゆっくり溶けてくちどけなめらか、甘さ控えめなそのチョコレートを食べた瞬間、いわゆる沼にはまったのだ。
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