運命のチョコレートとの出会い

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「美味しい、これどこで売ってるの?」  そう聞いた瞬間Aはそうでしょうそうでしょうと言わんばかりに、今バレンタインの期間限定でチョコレートの催事場ができており、そこで売られていると説明する。そしてこれから行かないか、と持ち掛けられ私は二つ返事で行くといった。  催事場に行くのは初めてだ。正直いって人込みがすごいという印象しかない私だったが、あのデジレーというブランドのチョコレートを求めてAと一緒に催事場へ向かった。  電車に乗って催事場までやってきた。普段は入らない高級感のある建物に入って催事場のある階にまで上がる。そしてついたらそこそこ人はいたが、思っていたよりも空いていた。そしてそこからチョコレートの香りがほのかに香ってくる。  しかし思っていたよりもその規模は大きく、かなりの数のブランドがショーケースを並べていた。Aに案内されながら例のデジレーチョコレートまで行き、値段を見るとびっくりしてしまった。6個入りで1200円ほどしたのだ。  普段板チョコくらいしか見たことがない私にはこれもまたすごい衝撃だったが、A曰くデジレーのお値段はまだ良心的だという。なんということだ。しかし先ほど食べたトリュフチョコ以外にも赤いハートのチョコにブランド名が印字されたものまで入っていて、ひどく魅力的だった。結局6個入りを買った。 「せっかくだしほかのところも見ていこう」  そう話をしてほかのブランドのチョコレートも見ていくと、そこはもう知らない世界だった。まずパッケージがみんな個性的で可愛い!リボンが巻いてあったりたくさんの色を使って水玉模様を描いたりしている物、ロゴを印字しているだけのシンプルな物もある。もうそれを見るだけでわくわくと胸が躍る。  そしてチョコレートの色や形も様々だ。宇宙を模した惑星ショコラ『レクラ』というブランド、手のひらサイズの缶にチョコレートがいっぱいに入っていてスプーンですくって食べる『ヴェストリ』、ダイヤモンドの形をした『デルレイ』など、もう見た目だけでも楽しいのだ。
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