運命のチョコレートとの出会い

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 そして催事場にきて一番驚いたことが、普通に歩いていると各ブランドのスタッフさんが試食をどんどん渡してくれて、その場で食べ比べができるのである。私とAはひたすら試食をして何が自分たちの一番の好みかを探っていった。  お互いこれ雨好きそう、これA好きそうだね、などと言いながら食べて購入予定のあるブランドの冊子をもらっていく。そうして1時間以上食べたりショーケースを覗いたりしてわかったことがある。私はくちどけがよく甘さ控えめのものが好きだということ。それを踏まえて買うものを定めた。 「よし、これにしよう」  かなり悩んだし正直全部欲しいけれどそんなにお金はない。結局私が決めたのはシンプルなデザインだけど、私の好みドストライクの『ブノワ・二アン』と最初に買った『デジレー』の2つを買った。  でも実は私の中でものすごく悩んでいる商品があった。日本ブランドの『クリオロ』のプロポリスというものだ。1箱に1個だけ真っ赤なハートのチョコレートが入っている。このクリオロのチョコレートがまた試食したら美味しかったのだ。きっとこの1個で1200円ほどするチョコレートも美味しいに決まっている。  しかし1個1200円はさすがに躊躇する。でもあの真っ赤な輝きが私を誘惑してこの場から離さないのだ。結局5分ほどショーケースの前で悩んだ私はその真っ赤な輝きも買って催事場を後にした。
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