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花言葉『クローバー』
テレビの音声が流れる。
『本日の占いです!4月生まれのラッキーアイテムは三葉のクローバー!続いてアンラッキーアイテムは、、』
「みくー!もう幼稚園行くわよー!」
玄関からお母さんが呼んでる声がする。
「はーい!ちょっと待ってー!」
私はお母さんに駆け寄り手を繋いだ。私は覚えてないけどお父さんはいたらしい。でも私は大好きなお母さんがいるから毎日が楽しい。お母さんと手を繋いで幼稚園まで向かった。
「みくちゃん!お誕生日おめでとう!」
幼稚園に着いて先生がしゃがみながら話しかけてきた。
「先生!ありがとー!私おっきくなったよ!」
今日、4月25日は私の誕生日。先生も友達もみんな祝ってくれて私は嬉しかった。
「先生、みくをお願いします」
「はい!お任せ下さい!」
先生とお母さんは少しだけお話して、お母さんは行ってしまった。
「はーい!今日はお外で遊びますよー!」
先生の一言でみんなが一斉に外に飛び出す。
私は今日どうしてもやりたい事があって木の下に走っていった。そこには沢山のクローバーがあるのだ。お母さんに四葉のクローバーをプレゼントしたかったのだ。
「あっ、、!あった!!」
私は四葉のクローバーを見つけつい大声を上げてしまった。もうちょっとでお母さんが迎えに来る。私はウキウキしながら待っていた。
でもお母さんは迎えに来なかった。
「みくちゃん。よく聞いてね。お家が燃えちゃってお母さんが危ないの。」
先生はいつもの違うちょっと怖い顔で話してきた。幼い私にはよく分からなかった。
私は成長して20歳になった。幼稚園の時、お母さんが来なかった日はよく覚えている。聞いた話だと私の元父親が家に放火したらしい。幸せそうにしているお母さんと私が許せなかったらしい。つまり『復讐』だ。
だから、、私は同じことをしようと思う。大好きな母を殺した事を許さない。
扉の前にいる彼女の手にはマッチと四葉のクローバーが握られていた。
ザァーザァーザァー、、、、カチ
テレビから無機質な声が聞こえる。
『ラッキーアイテムは三葉のクローバー!アンラッキーアイテムは四葉のクローバー!です!お気をつけください!』
三葉のクローバー 花言葉『愛』
四葉のクローバー 花言葉 『復讐』
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