決意

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「ところで…こんな所に呼び出してどんな御用け…」 「口を開いてよいとは言っていないぞ」  マズったな~、失言だったかな~?王城を「こんな所」だなんて。 「…して、お主が白か」  …やっべえ、すげえ緊張する。 「答えんか」  口を開いてよいとは言っていないんじゃなかったんでしたっけ~?と煽りを入れたくなったが、ここは我慢だ。 「は、はいそうですけど…」 「お主は今自分がどんな立場にいるか分かっておるのか?」 「どんな立場って…自分が八人もの兵士に槍を向けられて、今にも殺されそうになっている状況……?」 「…違うな。お主が国際重要最高刑執行指定人物であると言う状況だよ」  …へ?  こくさいじゅうよ…最高刑執行指定人物???? 「えっと…それはどういう…」 「端的に言えば…お主を二日後に処刑する」  …………  …………どうして???  後、状況的に本質は何も変わっていない気がするのですが。 「お主のその名前は仮名だろう」 「かっ、仮名??そんな訳無いじゃないですか、第一名前を隠す意味など…」 「お主の出身国を申してみよ」 「日ノ國…ですけど」 「日ノ國のう…8年前に滅亡しておる」  王は少し口角を上げ、「してやったりだぜ」とでも言わんとばかりの表情をする。 「…」 「國を滅亡させたのは当時7歳程度の少年だ」 「す、凄いですね…7歳で一国を滅ぼすなんて…」 「お主は今15歳。では8年前のお主は?」 「7歳…ですね」 「まだ分からんか」 「何がですか?」  …とぼけるのも無理があるか。
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