8人が本棚に入れています
本棚に追加
「お主であろう。国を滅亡させたのは」
あーあ。面倒臭い事になっちまった。
「一国を滅ぼした少年を生かすのは危険だと判断した我ら人界軍及びトランスフィールド諸国は、お主の事を国際重要最高刑執行人物として指名した」
「えっあっ」
「だからこそ、お主の身柄をここで拘束させてもらう」
マジかよ。
「一応…一応ね?俺はそんな事してないんですけど、してないんだけど!!!……まぁ、信じては…」
「やれぬな」
「大人しく捕まると思います?」
「思わんな。だから我々は先に動いた」
人界王は手で合図をする。すると、奥から磔にされた人間が出てくる。しかもそれは、当分見なくて済むと思っていた面だったのだから、かなり…顔が引きつるほど驚いた。
「ジャン…おじさん…!」
「死ぬんじゃ、ないぞ」その言葉が最後の会話になる筈だった。むしろ、最後になっていればどれだけ良かった事だろうか。
磔にされていたのは…ジャンおじさんだった。
「死ぬんじゃないとは言ったが…わしの方が先に死ぬかもしれん…」
「二日後にこの老人も処刑する。大人しく捕まるならこの老人は逃がしてやろう。ただし、二日後の正午。太陽が天頂に座する時までに大人しく捕まらなかったら…だ。その先は、言わなくとも分かるだろう?」
「ふざけ…やがって…」
「逃げろ…白…お前は生きるんだ…!」
「だっておじさん…!」
最初のコメントを投稿しよう!