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俺は何が使えるんだろうか。
敵を氷に閉じ込める氷の魔術? それとも敵を紅蓮の業火で焼き尽くす炎の魔術? それとも圧倒的な火力で全てを吹き飛ばす爆発/爆裂魔法?
または……師匠の使っていた「呪術」とか?
何にせよ、今までの人生では刀しか握ってこなかったものだから、どんな魔術や魔法でも使える事自体が楽しみで仕方なかった。
そんな事を考えているうちに、
「ジョブシステムの結果が分かりました」
と、お姉さんに案内されカウンターへと移動する。
「こちらがジョブシステムの結果です」
そう告げられ、お姉さんから茶色のカードを手渡された。
「ジョブシステムで評価するのは三つの項目で、一つ目が魔術/魔法適正属性。二つ目が現在の魔力量。三つ目が潜在能力、つまり魔術や魔力量の伸び代を評価しています。
二つ目以降の項目はAランク~Eランクまでで評価しており、AからEに進むごとに評価が下がっていく形となっています」
そう言われて、カードを見てみると、
適正属性:回復魔術
魔力量:C
潜在能力:E
と書かれており。
「嘘だろ…」
まさかの結果に呆然とし、自分の今の感情が声にまで出てしまっていた。
「色々と、凄いですよね…そこまでの人はあまり見かけないくらいには…」
あんなにまで憧れていた魔術を使う自分の姿が音を立てて崩れていく。
っていうか今サラッとひどい事言われた気がする。
「…とりあえず、色々とありがとうございました…」
小さな声で呟いた。
「あ、うん、とりあえず冒険、頑張ってね…」
半笑いでお姉さんが口を開く。
どうしてこうなってしまったんだと。
15歳の少年には似合わないほどうなだれながら、ジョブセンターを後にした。
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