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「えっと、やっぱりみんなとおんなじ、泣いたり、笑ったり・・・、えっ、・・・だめ、だめ、あっ、走ってくる、だめ!」
突然の少女の震えがラミをつたう。
「お姉ちゃん、後ろから男の人が走ってくる、その人悪い人、早く、逃げないと」
「え、そんな、突然、怖い、怖い」
「お姉ちゃん、こわいよ」
影は遠くから二人の背中へとみるみる近づく。
背中に抱き着いた少女はかろうじての声で訴える。
「こわい」
―体が思うように動かない。
―声が出ない。
―叫ばないと、助けてって。
地面にうねうねひろがっている木の根が二人の後ろから足元を通って前までのびている。
走り来る靴の音がゴンゴンと木の根をつたわり、その上に置かれたビニール袋をビリッと振動させた。
キャベツが見えた。
ラミはキャベツをとっさに取り出した。
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