2/6
前へ
/36ページ
次へ
「何やってんの、さっきの四つ葉のクローバーの姉ちゃん」 一緒に四つ葉のクローバーを捜していた子供のグループの一番年長そうな少年が、年下の子供達に、ほら見ろよと、ぞんざいに二人を指さして言った。 「おい、狂ってるぞ、あいつ。キャベツひんむいて、周りに投げ散らかしてやがる」 「ほんと、馬鹿じゃない、狂ってやがる」 嘲笑の大きな笑い声が、公園の他の人たちの注目を二人に集めた。 「あっ、すぐ後ろ、走ってる人に当たった、ひどい」 二人のすぐ後ろに来ていた男は、そんな異常とも思えるラミの行動に驚き、公園の人からの注視にもひるみ、二人のすぐ横を通り過ぎていった。 少女の靴を蹴っていった。 二人はしばらく時間が止まったように動かなかった。 「おい、見てみろよ。今度はいきなり抱き合って泣きだしたぞ。きもっ、みんな帰ろうぜ、もう、帰ろうぜ。」 「・・・。うっ、うっ、うっ」 「・・・、大丈夫?」 ラミは少女の頭を撫でた。 「うん、よかった、なんにも起こんなくて」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加