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「休も、ね、あっちのベンチで駄菓子たべよ」
「コンビニでついたくさん買っちゃったんだ、いっぱいあるよ」
ラミはおんぶした少女に話しかけながらゆっくり歩いた。
重いビニール袋が、少女の足元で揺れていた。
「うん、それすきなんだ、すっぱいの」
「お姉ちゃん。、、、わたし変えちゃった・・・」
「えっ、何・・・?」
「ううん、なんにも、何でもない」
うつむいていた少女は、足元の草から視線を上げると、ラミのにのうでにつかまって
「こっちのも、私のすきなやつだ!」
「うっそー!」
「お姉ちゃんまねしないでぇ」
「ごめんごめん」
「その小指のなに?」
「ローズクォーツだよ」
「きれいだね」
「あげる。二人の秘密の印だよ」
わあ、これとおんなじ、とゼリーの駄菓子を自分の指につけて笑顔で、ラミの目を見た。
締め付けられた胸に言葉は閉じ込められ、言おうとした声は、少女に返した笑顔に変えるしかなかった。
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