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「なんなん、マダチョイサキダケドって、字余り早口、そこだけ音程下げて、なんなん、なんなん」 ラミの喜ぶ様子には少しぎこちなさがあった。 あれっとラミは思った。 ――ハッピーバースデーの歌を歌うのは予定通りだけど、誰かが歌詞をアレンジしておもしろくした? ―もう、誰?いたずらなんだから・・・。・・・ああそういうことか、歌詞はこれでいこう。 するとラミも歌いはじめた。 「Happy Birthday to コンゲツマツ。Happy Birthday dear コンゲツマツ」 ケーキを持っていまかいまかとローソクの火が消されるのを楽しみに待っている人に向けて、ラミは歌った。 みんなもそれに合わせて視線をラミから移し、にこにこしながらそれぞれの言葉にアレンジして歌いだした。 一人の肩がビクッとなった。
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