2

3/8
前へ
/36ページ
次へ
小学校低学年ぐらいだろうか、両手に重そうにビニール袋をさげて、広場の奥にぽつんんと立っていた。 池のまばゆさに少女は呼び水のようにゆらめいてみえた。 少女は芝と雑草の混じった広場の周りをみまわしていた。 少女の目線が10メートルぐらい先で止まった。 すると、重い手荷物に振られて転びそうになる勢いでそっちに走った。 すとんとしゃがんだ。 ビニール袋が地面で弾んで、何かが袋から飛び出した。 ――あっ、落とした。 ――これって、あの子の? ――多分あの子のだ、すぐにみつかってよかった。 渡してあげようと近づいていく間、少女の様子をみていた。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加