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 声の主は、僕の返事も待たず、僕の隣に座る。同じ係の後輩、相良洸平だった。彼は椅子に座るやいなや、茶碗にかき氷のように盛った米に箸を突っ込んで、口の中に放り込んだ。相良は、僕よりも小柄な青年だ。学生時代は野球をやっていたらしく、ポジションはショートだったらしい。犬のように人懐っこい性格をしていて、なぜか直属の上司ではない僕を慕ってくれている。今年の新卒枠として入社した彼を最初に教えたのが僕だったからだろうか。ついこの間までは、制服の短パンを履いて、小麦色の足をさらけ出していたというのに、今日は長ズボンを履いている。洗濯が間に合わなかったのだろうか。 「アキトさんがこの時間に、ここにいるってことは、昼からはヨユーってことっすね」 「どういう意味だよ」  相良は、僕の問いには答えず、僕と同じ唐揚げを頬張った。 「ほら、アキトさんはなんかいつもヨユーなさそうなんで」  ズズズっと大きな音を立てて、相良は唐揚げを味噌汁で流し込む。あまりにも図星なもので、僕は何も言い返せなかった。
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