421人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよ、目覚めたか」と声をかけると
「うん」と返ってくる。こりゃあ半分寝てるな。
まあ、もう少ししたらちゃんと起きんだろと思いつつテーブルに食器を並べた。
完成した料理を乗せて二人分の飲み物を用意した。
「千秋、食べるから座りな」というと顔を洗った千秋が戻ってきた。
二人で食卓を囲んで「「いただきます」」と言い、箸を進めていく。
「そういえば千秋、今日転校生が来るんだって」と言うと
「ふーん」と返ってくる。
「こんな変な時期に入ってくるなんて訳ありかな」と言いつつ、このベーコンうまいな、なんて考えてたら
千秋が「気をつけてね」と言ってきた。
その言葉の真意を探ろうと千秋の目を見るも彼は、朝食を食べるのに夢中だ。
「どうした、急に」と問いかけると「別に、なんでもないよ」と返ってくる。
こいつは素直じゃないけど、俺を心配してるんだろうなと思うと素直に嬉しくなった。
「わかったよ」と返すと千秋の表情が少し柔らかくなった。
最初のコメントを投稿しよう!