風紀の副委員長

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「今日、転校生が来るらしいね」と緑が言い出した。こいつは生徒会の書記をやっており転校生のこともその関係で一足早く知ったのだろう。 「ほんと、なんで4月の半ばとかって言う中途半端な時期なんだろうね」とか話しながら歩く。 え?なんで俺も転校生の事を知っていたのかって?それは、俺がこの学校の二大組織の一つ、風紀委員に入ってるからだ。 「転校生のおかげで俺たちの仕事が増えたら嫌だな」と言うと、緑が笑いながら 「相変わらず冷たいなー」と言ってくる。 だって仕方ないだろ、転校生が何かやらかしたらその火消しはこっちに回ってくるんだから。 そんなことを3人で話しながら学校に向かっていると「「キャー」」と言う叫び声が聞こえてきた。 前を見るとキラキラした目でこちらを見る生徒たちがいた。 「「キャー、難波様ー」」 「「楓さまーー!!」」 「「夏目せんぱーい」」 歓声を上げてるのは親衛隊の子たち、顔の整った千秋と緑は分かるけど俺の名前を呼ぶ子がいるのは俺も親衛隊がいるから。 しかも、この学校は人気ランキングなんてものがあって、その上位者は生徒会メンバーとか風紀委員とか結構目立つ役職についている。 全く興味なさそうだけど千秋も緑もランキング上位者。 俺も風紀の副委員長をやってる関係か、それなりに顔が知られているし人気もあるみたいなんだよね。人伝に聞いたところ俺は4位らしい。なんでだ。
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