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紬は中等部の頃、殆ど帰ってこなかったから俺はよく様子を知らない。
だから相沢くんから聞く紬の話は新鮮で面白い。
「俺も中等部の時の紬について知らないから聞けて嬉しいよ。あ、紬おかわりまだあるよ」
「ん、持ってくる」
「で、今日は何する予定なんすか?」
「んー、ぶっちゃけもう解散してもいいんだよね」
一緒にご飯を食べたのはデート判定で良いだろう。どうすっかな、と悩んでると相沢くんが「映画見たらどうっすか」と提案してきた。
「映画?」
「はい、三上映画見るの好きなんでこの部屋にプロジェクターがあるんですよ」
「そうなんだ」
「俺、出ていくんでゆっくり見てください」
「いや、相沢くんも一緒の見ようよ」
えっ!?と相沢くんが困っているところにおかわりを持った紬がやってくる。
「紬、映画見るなら相沢くんもいた方がいいよね?」
「どっちでもいい」
「ね、紬もこう言っているし一緒に見ようよ」
親衛隊に知られたら殺される、と頭を抱えている相沢くんには悪いが、今日は巻き込ませてもらおう。
俺は、紬とちゃんと話すのはだいぶ久し振りだ。でも、相沢くんは中等部の頃から紬と仲が良かったみたいだし、コイツも俺と二人きりよりも友達がいた方が良いだろう。
「何見る?」
「ホラー」
「お前、ほんと好きだよねー」
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