04 少女の導き

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やり場のねぇ悔しさと怒りが沸いてくる。 肉屋の姿を目で追いながら隣のガキを責める。 「おい。クソガキ。もっと上手い交渉はできなかったのかよ」 「仕方ねぇだろ…それで街から出られるなら安いくらいだ」 「安いわけあるか。たまたま3枚も手に入ったが金貨なんてのは相当お目にかかれねぇ大金なんだぞ?それをああも簡単に出しやがって」 「んなこと…分かってるよ。けどあれぐらい…やらなきゃ、闇市の商人なんて……話も聞いちゃくれねぇだろうぜ」 「いやそれもそうかもしれねぇが、他の商人に当たる手だってあったろ?」 「ある程度、余力のあるやつじゃなきゃ話にもならねぇ……その点あいつは護衛をつける余裕さえある……荷台つきの馬車でも持ってりゃ………隠れていきやすい…」 「んん…!くそ!!納得いかねぇ!!あの肉屋に…!!クソが!!」 「文句の多い…馬鹿弟子だ…むしろ……金が残っただけ……おれに………かん…………しゃ…」 「誰が感謝なんてするかよこのクソガっ!……き?」 急に静まって何事かと隣を見るとクソガキがその場でぶっ倒れていた。 「おいおいおいなんだ?倒れたふりして下手は交渉をした罪から逃れようったってそうはいかねぇぞ」 倒れたクソガキの肩を掴むと、ガキの体温がとんでもなく上がっていることに気づく。 こいつ、マジで倒れてんのか? よく見れば呼吸も荒く、全身から汗が浮き出てやがる。 本当に体調が悪いみてえだ。 「おい。クソガキ。なに伸びてやがる。死んでる場合じゃねぇぞ。これから街を出るんだから気張りやがれ」 「……ははは………きびしいな……おまえ……ちょっとは甘えさせろよ…」 声もかすれている。 まさか、死ぬんじゃねぇよな? そんな馬鹿なことはねぇよな? 街から出すって約束だろうが。 俺はまだ街から出てねぇぞ。 「……平気なのか?」 「平気なわけ……あるか……けど気にすんな……たまに…あるんだ…こういうの……ちょっと休めば治るから…」 なんだよ。 たまにあんのかよ。 じゃあ気にする必要もねぇな。 「お待たせしました」 特にやることもなく倒れたクソガキの近くで胡座をかいていると肉屋が護衛の一人と一緒に荷台つきの馬車を引き連れてきた。 俺の背と同じぐれえでけえ黒い馬が引いている荷台は大の大人が7、8人は乗れそうなぐれえ大きなものだ。 荷台の上にはすでに木の箱やらなんか入ってる布の袋やらが乗っている。 店主は荷台に乗った荷物の中から折り畳まれてるでけえ布を取り出した。
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