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今さらかよ。
てかまだそんなことを引きずってやがったのか。
女々しい野郎だ。
いや女だったのか。
「別にあれが初めてだったわけじゃない。お前に助けられるまではしょっちゅうだった。俺を買ったロリコン野郎はあんなもんじゃなかったんだ…だからあれくらいは耐えられると思ってた……けど」
クソガキはまあ俺の方を見てきた。
その目は少し潤んでるように見える。
「見られたくなかったよ……お前には特に……」
落ち込んだ声でそう言うクソガキの肩は震えていた。
そんなに落ち込むことか?
こんなイカれた世界じゃそんな理不尽そこら中に溢れてんだろ。
レイプされてるのを見られただけで気にしてるようじゃまともに生きていけねぇ。
仕方ねぇクソガキだぜ全くよ。
「俺が初めて野郎のイチモツを咥えたのは5歳ぐれえのときだった」
「…は?イチモっ…え?」
クソガキは目を丸くした。
困惑したような間抜け面になったが無視して話を続ける。
「ちっせえ男児が好きな気持ちわりぃ頭のイカレたクソ野郎だった。そいつに何度もアレをしゃぶらされたし、ケツの穴だって小便漏れるぐれえ掘られた」
「それは…本当なのか?」
「本当だ。しかもその野郎は表向き善良な神父として崇められてやがる。全く掃き溜めみてえな世界だ。どれだけ孤児のガキどもが騒ごうと世間は神父様の味方だもんな」
「っ!!そう、だったのか…お前…教会に拾われて…」
クソガキが何かを察してかもっと湿気た面になる。
そんな面を見たくてこんなクソみてえな話をしてるわけじゃねぇのに。
「その地獄は5年続いた。俺を含めた悪ガキどもで神父の野郎をぶっ殺すまでな。殺さなかったらもっと続いただろうよ。だが地獄が終わってみりゃどうだ?始まったのはまた地獄だった」
クソガキは喉を鳴らした。
「何があった?」
「この世の中じゃ聖職者殺しは大罪らしい。たんな罪の塊みてえな野郎でも殺せば極刑は免れねぇんだと。ガキだろうが容赦なしだ。俺だけは運良く逃げ切れたが他のガキどもはみんな死んだ。お国の正規軍とやらに捕まって火炙りの刑だ」
「そんな…」
言葉を失うぐれえショックを受けてるみてえだ。
俺が体験した不幸を直視できねぇかのようにクソガキは下を向いた。
でもそれじゃ話にならねぇんだよ。
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