ごめんね、なっちゃん

　よし、なっちゃんが戻ってきたらちゃんと言おう。
そう心に決めて顔を上げた時、なっちゃんの勉強机の上にアルバムが置いてあるのが目に入った。
なっちゃんは遊びに行くとよく写真を撮っていたのを思い出した。
私は立ち上がって机まで行くとそのアルバムを開いた。

最初のページにはなっちゃんの家の写真が貼ってあった。
『今日からここが私の家』
写真の右下に黒いペンでそう書かれていた。

そして何枚かめくった時、私は持っていたアルバムを落としてしまった。

　そのページには私たちとなっちゃんが一緒に写った写真が貼ってあった。
なっちゃんと私の他に5人が写った写真。
なっちゃん以外の顔が真っ赤なペンで塗りつぶされていた。
そしてその塗りつぶした上から何かで切られたように傷つけられていた。
慌ててアルバムを拾った私は次のページ、また次のページとめくっていった。
これも、これも、これも……。

どの子も顔が塗りつぶされて傷つけられていた。
そして最後のページにはクラス全員の顔が塗りつぶされた集合写真が貼られていた。

　怖くなった私は急いでアルバムを閉じて元の場所に戻すとさっきと同じ場所に座りなおした。するとすぐになっちゃんが部屋に戻ってきた。
このお菓子、私の大好物なのと言いながら大きいお皿に開けるなっちゃんを見て、本当にあれはなっちゃんがやったのか、なんであんなこと……。
そう思っているとなっちゃんがふと勉強机の上にあるアルバムを見て私の方を見た。

　するとなっちゃんは勉強机からアルバムを持ってきて先ほどのページを私に見せた。