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「ねぇ、なっちゃんのこと好き?私は大嫌い。
毎日へらへら笑ってさ、自分のものが無くなってるのに笑ってるんだよ?
バカみたい。
きっと私たちのことも心の中では田舎者ってバカにしてるんだよ。
秋ちゃんは上履き誰が隠したか知ってる?あれ、池ちゃんだよ。
池ちゃんもね、なっちゃんのこと生意気で嫌いって言ってたの」
それから良子ちゃんは誰が何を隠したのか私に聞かせた。
私は知らなかった。
みんな毎日なっちゃんを遊びに誘ったり、一緒にお喋りしてたのに……。
なっちゃんが無くしたものはクラスの子たちが隠していたんだ。
「本気でなっちゃんの物探してるのは秋ちゃんだけだよ。
みーんななっちゃんのこと嫌いなんだって。
なんでみんながなっちゃんを遊びに誘うか知ってる?
置いてかないで、待ってって笑いながら必死に追いかけてくるなっちゃんが
面白いからなんだって」
そう言うと良子ちゃんは、なっちゃんには内緒ねって言って自分の水筒となっちゃんの筆箱を持って教室から出て行った。
その日の帰りの会、
なっちゃんの筆箱が無くなってしまった、みんなで探しましょうって
先生が言っていた。
みんながなっちゃんの机まで行ってなっちゃんに
一緒に探すから元気出してって言ってた。
私がなっちゃんの家から帰ってきた翌日。
なっちゃんが私の家に来た。
昨日のことがあって私はなっちゃんに会うのがとても怖かったが、
母はなっちゃんを家にあげて私の部屋へ通した。
「ごめんね、でもすぐに帰るから」
なっちゃんはそう言うと小さな可愛らしい封筒を鞄から取り出した。
鞄には他にもいくつか封筒が入っていた。
渡された封筒には『あきちゃんへ』と書かれており可愛いシールで封がしてあった。なっちゃんはそれを私に渡すと、明日の朝に開けてね、そう言って帰って行った。
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