ごめんね、なっちゃん 

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 連休3日目の朝。 私は母さんに叩き起こされた。 母に連れられて玄関へ行くと、そこには大泣きしている良子ちゃんや池ちゃん、他にも何人かのクラスメイトと難しい顔をした駐在さんがいた。 朝から何があったのだろうと思っていると、良子ちゃんが泣きながら言った。 なっちゃんが死んだ。  良子ちゃんは私が昨日なっちゃんから貰った封筒と同じような封筒をぐしゃぐしゃに握りしめいた。 私は急いで自分の部屋へ戻ると、昨日なっちゃんから貰った封筒を開けた。 そこにはなっちゃんが引っ越してきたときにはじめて一緒に撮った写真が入っていた。 私となっちゃんが駄菓子屋さんの前でピースをして写ってる写真だ。 なっちゃんがお父さんから貰ったカメラで撮ってくれたやつ。 上手く撮れなくて笑いながら何度も撮りなおしたのを覚えている。 写真をめくると裏面にボールペンでメッセージが書かれていた。 『あきちゃんへ  消しゴム、言ってくれればあげたのに。  あきちゃんにだったらあげたよ。  ひどいよ あきちゃん どろぼう  あきちゃんなんてきらい ばいばい』 私は泣いた。写真を持ったまま部屋で泣き続けた。 誰かが階段を上ってきた音が聞こえて後ろを振り返ると良子ちゃんと池ちゃんが立っていた。私が泣いているのを見ると2人とも私に写真を渡してきた。 2人もなっちゃんから写真を貰ったのだ。 私は2人から写真を受取ると、思わず悲鳴を上げそうになった。 「なっちゃん……私たちがやったこと全部知ってたんだよ……。  どうしよう、ゆるさないって……呪ってやるって!!!  みんな同じようなこと書いてあって、  今朝、宗太がなっちゃん家に行った時にはもう。どうしよう、どうしよう」  良子ちゃんたちが私に渡してきた写真は、昨日なっちゃん家でみたアルバムの写真みたいに顔が塗りつぶされて何かで切られたように傷つけられた写真だった。 恐る恐る後ろを見ると真っ赤な文字で書かれていた。
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