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幽霊が出るキャバクラ7
老紳士は話を続ける。
深い話をして、果たして良いものかどうかと、一瞬迷ったような素振りをして、けれど若いキャストの女のコ達はその先を期待し、もっと詳しく知りたいとお願いをする。
彼は困ったように、今日帰宅したら塩を舐めるように、と言った。
そして、出来ればこの店に出勤した日は、帰宅してから必ず塩を舐めると良い、とも言った。
「今日、ラストまで勤務の女のコがこの場にいるのならば、この話はお終いだ」
と続ける。
けれど、そんなあっさり、スッキリとしないところで話を終わらせないで、と何人かの若いキャストの女のコが彼の腕を掴み、揺すって、ねえねえ、なんて甘えて見せる。
私はラストまでの勤務だったので、もういっそ日本酒を頼もうかと思った。
この店のメニューに日本酒はなかったが。
けれど、置いてはあった。
店の厨房にある神棚には、日本酒が備えられていたし、それは毎日取り換えられていた。
でも、と思う。
飲み屋が繁盛するように、と神棚のある店だってそりゃああるだろう、くらいにしか今まで考えたことはなかった。
今だって、そう言った意味合いでやっているただの習慣なのだろう、と、そう、改めて思い込もうとした。
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