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幽霊が出るキャバクラ1
東京で一人暮らしをしていた頃、20代のとある夏の夜。
夕方が近づくと私は化粧を念入りに施し、それなりに見える服装を選んで駅まで歩き、混みあっている下りの電車ではなくて、夜更に栄える歓楽街を目指し、空いているガラガラの方の電車のやってくる方のホームへと立つ。
そんな、慣れた日々、何度めかの夏の夜のことだった。
私は、「女の幽霊が出る」と言われていたキャバクラに勤めたことがあった。
結構有名だったようだけれど、それでも店が閑古鳥と言うわけではなくて、普通に営業出来ていたし、客足だってそこそこあった。
幽霊が出るからと言って、幽霊は別に貧乏神でもなんでもない。
キャバクラがあって、可愛いキャストがいれば、客だって来店する。
その店は、オープン時間は20時で、ラスト、つまり閉店時間は2時だった。
そして、夏場だけは週末金曜と土曜のみ、ラストの時間が3時へと延長されると言う、そう言うシステムの店だった。
私は丑三つ時と言うやつが何時のことを言うのか知らなかったので、今ちょっと調べてみたのだが、どうやら「深夜0時直後の時間と午前3時から午前4時までの時間を含む」とのことだった。
そんな時間帯、バリバリ店は営業している。
幽霊が出たらさすがにわかる。
いくら店内は雰囲気を出す為に少々、照明を落としているからと言ったって、さすがに幽霊が出たらわかるだろう。
私はてっきり、その幽霊とやらは貞子だとか伽椰子だとか、そんな感じの見た目をしているものだと思っていたのだ。
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