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そうしてイッサは誘われるままに宇佐美の車に乗り込み、たどり着いたのがこの白亜の豪邸、宇佐美の家というわけなのでした。
イッサは車を降り、自分の荷物(といってもほとんどがさっき宇佐美に買ってもらった服)を両手に持ちました。
「半分持つよ」
と言って宇佐美はイッサの左手に持った荷物を奪い取りました。
宇佐美はそのまま門を開け、豪邸の敷地の中へと入っていきました。
門柱には表札のような木の板があり、そこには「USA」と書いてありました。
(『宇佐美』だから『USA』?)
豪邸の迫力にボーっとしていたイッサは、豪邸に入っていこうとする宇佐美に気づいて、置いて行かれまいと慌てて宇佐美を追いかけました。
宇佐美は豪邸の玄関の前まで来ると立ち止まり、チャイムを鳴らしました。
宇佐美が玄関のチャイムを鳴らしてすぐ、家の中をバタバタと走ってくる複数の足音が聞こえました。
その足音が玄関まで来たかと思うと、玄関のカギがガチャっと開きました。
「おかえり~」
開いた玄関のドアの向こうには複数の若い男が立っていました。
「宇佐美さん、聞いてよ。今日さ、」
「馬鹿、俺の話が先だよ」
「いや、順番からいって俺じゃない?」
複数の若い男たちは宇佐美の持った荷物を受け取ると、次々に宇佐美に話しかけました。
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