初恋花火が散ったとき

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 9月になれば涼しくなると、どこかの誰かが言っていたけれど、未だ残暑が厳しく残る。  空港のロビーから見上げた青空には、白い飛行機が飛んでいく。 「流星、行っちゃった」  寂しさを滲ませた表情の私が、窓ガラスに写った。  私の日常は、彼がいたから彩られていた。  あの夏の夜、私たちの初恋が終わった。  そして、それとは違う確かな想いが、互いの胸の中に咲いた。  今は、それだけでいい。  一年後の未来に向けて、前に進む。
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